请选择 进入手机版 | 继续访问电脑版

真白萌Web小镇

 找回密码
 立即注册
搜索
热搜: 目录 目錄 完结
查看: 2143|回复: 54
收起左侧

[资源] 顺便这里开个求肉贴

[复制链接]

211

主题

2069

帖子

5091

积分

图书委员

有毒吃不了,炸了浪费油

Rank: 18Rank: 18

天命
4000
金币
40125
荣誉
126
人气
2256
发表于 2019-10-11 20:03:56 | 显示全部楼层 |阅读模式
本帖最后由 毛茸茸的薯 于 2019-10-11 20:20 编辑

由于成为小说家被墙了,为了继续作业于是求肉。现在我手头上有第四章到78话的肉。不过因为之前下载的都是PDF格式,个别词语上面带解释的那种,如果有人可以下载或复制到待解释格式那种,希望可以从R18区的70话开始发上来。如果没,我就继续直接翻好了!
谢谢帮忙、支持和阅读!



这是带词语注释的版本,要直接下PDF才有,非常方便,但非常麻烦,直接复制会漏掉,但没有的话, 直接猜很容易猜错!

本帖子中包含更多资源

您需要 登录 才可以下载或查看,没有帐号?立即注册

x

评分

参与人数 1人气 +1 收起 理由
qsxwdcz + 1 淡定

查看全部评分

跟踪诶嘿怪的路人G,喵喵后援会打杂C

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:16:00 | 显示全部楼层
70.暇は甘美な毒1

日の出前に目が覚めるとシーツに横たわるスパスを起こさないようにベットから抜け出す。
朝の測定を行わなければ成らない。
賢者モードなので素早くクリーンの魔法を掛け着替える。
衣擦れの音に目を覚ましたスパスがベットの上でウトウトしている。
昨日はお楽しみでした。
俺も全てを吐きだして今日一日は賢者モード。
腰の軽さを実感できるだろう。
「あ、お手伝いします。」
「いや、湯を用意しておくので貴官はゆっくり準備をしてくれ。後始末を頼む。」
「後始末?」
身体を起こしたスパスは気が付いた様子だ。
ベッドの上の全裸シーツのスパスは恥じらいの表情だ。
くっ賢者モードが終わってしまう。
流石に従兵には、混じり合って飛び散りこぼれた物の後始末させるのは心苦しい。
空の桶に魔法で水を張り加熱させ、スパスに託す。
急いで身形を整え設置済みの測定器で恒星を測定する。
測量時の基本データなので今は計測する必用は無いが、後で解析する時には必用になる、と思われるので手が抜けない。
一通り観測が終わると顔を洗い歯を磨く。
士官食堂に入ると全員が揃っていた。
全員の顔色を見る。
顔色の悪いロビンに眠そうで疲労の溜まった顔のカール。
カール、ひょっとして仮眠も取らなかったのか?
後で一言行っておこう。
「おはよう諸君。とりあえず飯を先に喰おう。」
声を掛けるとつやつやスパス主計中尉の合図で配膳が始まる。
お祈りで食事開始。
細かい報告を聞く。
特に問題は無い。
長期的に問題になる事が予想されているが、敵の出方で対応が変わってくるので何も出来ない。
いや、この様な場合は何かをせねばならんのだ。
迎撃防衛訓練を兵に行うか…。
どうせあと数日で砦は完成だ。

特に問題なく作業は進む。
と言っても工兵隊の半分が休暇中なので人数は減っている。
なので建築を手伝う。
今日中に兵舎と食堂(半分)を完成させよう。
明日は食料庫だ。
壁だけ魔法で作って屋根は兵が張る。
材料は工兵が加工しているので組み立てるだけ。
まあ、工兵は家具や内装等、木材加工で忙しいのでそんな物だ。
ドアや、窓は後回しで暖簾の様に布だけ掛っている。
その布も鹵獲した帝国軍の雨具を使って居る。
カールがフル装備でうろうろしているので捕まえる。
「カール少尉、何をしている?兵は何処だ?」
「はい、中隊長殿、待機中です。兵は厩舎内で待機中です。」
カールが全然待機していない。
恐らく兵達はフル装備で馬具の付いた馬の隣りの飼葉の中で横たわって正しく待機中であろう。
サボっているのではない。
「そうか…兵の近くに居ろ。眠って居ても構わんぞ?直に馬で走る事が出来ればな?」
「しかし。中隊長。」
「カール、先は長い。待機中とは何時でも戦闘が出来る状態だ。昨日は眠ったのか?情報収集は副官に任せ、伝令を待て。兵の体調を考えるのも仕事の内だが自分の体調も考えろ。」
どうせ、副官に任せても、下士官軍曹に丸投げされるだけだが、軍曹がその場で最適な技能を持った兵隊を選ぶ筈だ。
「了解しました。」
渋々、命令を実行するカール。
心配性なのかもしれないが…。
もう少しいい加減でも良い。
指揮官は状況判断するのが仕事なのだ。
大筋を決めれば細かい所は下士官が全てやってくれる。

昼前に大人数に成った給水部隊が砦を出た。
休暇中と言ってもやる事は無いので給水作業に随伴する者が多い。
様は洗濯と水浴びして弁当を食べて乾くまでごろ寝するのだ。
桶を担いだ馬も洗う事に成るのでちょっとした行軍になる。

日没が近くなるとストラポルタ方面に出たロビン偵察分隊が帰って来た。
マルコ少尉との連絡に成功したと言う報告だ。
”帝国軍は配置転換中。包囲網を広く取り。城壁から離れた模様。距離およそ2000歩以上”
分隊の報告も同じ内容だ。
”帝国軍部隊が散開して近づくことが出来ない。ストラポルタが辛うじて見える遠くの丘から観測した。”
あいつ等、城から魔法攻撃を喰らって泡喰って距離を取ったのだ。
明日は時間を決めて中隊本部との連絡実験を行う心算だ。
恐らく、夜の間なら電離層の関係で電信による通信が可能かもしれない。
作業配分はカール小隊が偵察、ロビン小隊は待機、ジョン小隊は雑務で振り分けた。
行程は遅れているが、明日は工兵隊の残りの半分が休暇。
兵舎は完成した、食堂は建屋は完成したが家具の生産が間に合わない。
兵舎のベッドを優先したのが原因だ。
資材が足りない。
明後日以降も工兵隊は忙しくなるだろう。

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:16:28 | 显示全部楼层
71.暇は甘美な毒2

朝になりカール分隊の出発を見送る。
H8橋監視所に向かう交代の分隊とストラポルタ周辺への索敵二個分隊だ。
カールと小隊長付き分隊は残ってお留守番。
問題なく進むが…。
カールが”明日は俺も出たい”と言ってきた。
無論許可はしない。
不満そうなカール。
ジョンも雑務で不平タラタラだ。
一方顔色の悪いロビンは待機任務でビクビクしている。
何やってるんだ?小隊長がビク付くと兵が不安になる。
気合を入れてやらないと…。
昼食が終わると、時間が空いたので収納の肥やしに成っている帝国軍のマスケットの評価を行うコトにした。
自室に戻り机の上で一台を分解する。
全長1450mm、銃身長1060mm、銃床フレーム長1380mm、口径は銃口部で直径20mm弱、弾が18mm。
先籠め式銃なので銃口部にボアを振っていてもおかしくない。
付属の工具で全て分解できる様に出来ている。
銃身下部から飛び出た衝撃受けを銃床フレームで受け、上帯と下帯で押さえ固定している。
からくりは引き金と一体化した金属フレームの上で納まっている。
火皿の位置が調整出来ないので、コレも作り合わせで銃工職人ガンスミスの手が必用だ。
その為なのか、全てマイナス木ネジで銃床フレーム固定。
外した部品は印をつける。
翔ちゃんは外したネジの種類と順番を全て覚えると言う、特殊スキルを持っていたが。
流石に俺では自信が無いので、部品にロウ石で印を着けて並べる。
銃身が外れた。
分解された各部品の寸法を紙に書く。
銃身に空いた火道の穴から銃口までの距離は1000mm
堅い尾栓ボルトを廻す。
頭が四角のボルトで横に貫通穴が開いている。
付属の工具で緩めると長いボルトが出てきた。
全長70mm弱だ。
銅箔が巻いてある。
メタルガスケットの代わりだろう。
中を覗くと向こうが見える、滑降砲だ、煤が付いている。
試射は済んでいる様子だ。
外したさく杖にウェスをつけて掃除する。
息を吹きかけ煤を飛ばすと…。
「ねじ山が低いな…。」
銃身側と尾栓側のねじ山が低い。
三角山でなく頂点が丸い。
帝国の銃の尾栓ボルトの山がすくない…。
いや、ねじ山の形が台形や、四角型の物は有る。
工作し易い、強度も有るからあの世界では三角型なのだ。
銅箔ガスケットをはがし尾栓ボルトを捻じ込む。
ガタガタだ…。
「銃身加熱や、装薬量を増やすと…。尾栓が抜けるのでは?」
いわゆる暴発だ。
銃手が大怪我するだろう。
「まさかな…。」
唯の鉄パイプになった銃身をサーチする。
相変わらず硫黄が有る。
越冬したら銃身が割れるかもしれない。
「帝国の冶金術では鉄砲は無理なのでは無いか?」
銃身バレルの肉厚も薄い。
銃口部分は異物詰りの暴発時、先っちょが割れて銃手の安全を確保する。と言う設計は有る。
元々。火薬の燃焼ガスは銃口へ、先に行くほど圧力が下がる。
逆を言えば尾栓部分は最も圧力が掛る。
昔の翔ちゃんの国では、火縄銃マッチロック・ガンで鋼の板を二重巻きにして作っていた。
その為、口径の割りに銃身の肉厚があり、銃身長の長い物が主流だったハズだ。
無論、騎兵用の短銃も有った様だが。
収納からもう一丁を取り出す。
手にずしりと重さが掛る。
構えてもバランスは良い。
翔ちゃんの記憶の中の火縄銃マッチロック・ガンと比べてどう見ても銃身バレルの肉厚が薄い。
確かに、これ以上銃身が重く成ると…。
構えたときに前に下がる、力が要る、命中率が下がる。
しかし…。
「バレルの寿命が…。ドレだけで設計したのだ?」
耐久試験をする必要がある。

部品のスケッチと採寸は完了したので分解したものを組み立てる。
尾栓は付けて無い。
モールド・ペンチで弾も作る。
収納の肥やしの手持ちの鉛を使ったが。
鹵獲資材の中に鉛の板は確かに有った。
工具の中に坩堝とトングが混じっているかもしれない。
後で探そう。
組み立てた後に弾だけ籠めて見る。
バレルの底から転がる弾。
ねじ山を後から切っている。その分、肉厚が薄くなるハズだ。
試しに尾栓ボルトを手で閉めてみる。
うむ、すんばらしい。
バレルを外さず尾栓を取る事が出来る。
黒色火薬は煤が多いので掃除し易いのは良いことだ。
銅箔メタルガスケットは使い捨ての様子だ。
木箱の中に予備の銅箔が有った。
コレで使ってるヤツが死ななければ最高だ。
組み立てが終わり、自室を出る、事務所にスパス中尉が居たので声を掛ける。
「砦の外で実験を行なう、大きな音が出るが気にしないように。」
「了解しました。あの…危険な実験なのですか?」
「ああ、破片が飛ぶかもしれん、鹵獲した帝国軍の新兵器を評価する。空堀の底でやる心算だ。」
「御気をつけて…。」
ツヤツヤダークエルフの愛憎入り混じった視線を背に受け、砦の外に出る。
空堀の底で魔法で架台を作り周りに壁を作る。
40歩先に壁を作り木の道板を固定する。
板に縦線と目盛、数字を振る。
コレで標的は出来た。
尾栓穴から目盛を読み照星と照門のズレを確認する。
「ズレは殆ど無いな。」
まっすぐ飛ぶならかなり精度の良い銃身であろう。
無論。弾がまっすぐ跳ぶ訳が無い。
新しい銅箔を巻いたボルトできつく閉塞する。
問題は火薬量だ。
確かセオリーでは弾頭重量の1/3だが、実際は燃焼ガスの発生量と口径数(ココでは銃身長/内径)、火薬の燃焼速度が重要だ。
出来た弾は直径18mm弱の鉛球で33g程度。
火薬量は11g前後になる。初回は少なめにしよう。
天秤はかりを出して皿の上に手の平程度の紙を半分に折って広げる。
紙の上に鹵獲した帝国軍の火薬入れから注ぐ。
折り目に沿って銃口から火薬を入れ、弾を落として紙を軽く丸め入れ、さく杖で固める。
台座に銃を固定して照準を合わせ、引き金に紐を結び。
ハンマーを上げ火皿に火薬を注ぐ。
火蓋を閉めたら、防護壁に隠れて紐を引く。
重い引き金が動き、ハンマーが落ちた後、
一呼吸して白煙と炎が銃口から噴出した。
「おう!すげえ。不完全燃焼だ。」
弾は狙った場所から指3本分右上だ。
まあ。概ね30mだ、あの世界のマスケットなら100m位だ、恐らくコレもそうだろう。
的に印を付けて銃身内部を清掃、次の弾を装填する。
砦の兵が、皆コチラを覗いていた。
音で驚いた様子だ。
「おう、敵の新型兵器の評価だ。危ないから引っ込んでろ。」
「了解しました。」「はい。」
大人しく引っ込む兵。
ソレから何度か撃ったが、やはりバラツキは有る。
但し30mで直径15cm円に入っているので50mぐらいなら…。
次は尖頭弾を出す。
球体弾より大分重い二倍程度だ。
丸弾と同じ火薬量で発射する。
三発撃って止めた。
弾痕が下すぐる。
明らかに弱装だ、火薬は丸弾の二倍量、弾丸重量の1/3で撃って見る。
豪火な炎と煙。
集弾痕が広くなった。
着弾痕がオカシイ、明らかな横ダマだ。
「やはりライフルリングが無いのに、尖頭弾は無い。」
空堀の中が硝煙で燻る。
いちいち掩体壕の中から紐引っ張って発射するのめんどくさい…。
概ねの性能は解かったので、最後の実験に入る。
強装弾で試す。
弾頭と薬装が同量。これ、危険、素人にはお勧めしない。
銃筒爆破も有り得るので慎重に進める。
まあ、弾の命中率を見るより銃身の強度を測るコトになる。
安全確認をして慎重に紐を引く。
大音響と共に銃台が煙に包まれた。
「おい、酷いな。」
コレに耐えられないと100人殺っても大丈夫とは言えない。
10人目が自分に成りそうな銃だ。
無論、三倍量なんて撃つヤツが死ぬのは当たり前の量なのだが…。
煙が晴れたので架台に向かう。
破片が辺りに散らばっているが、台の上には見事に破裂した銃が転がっている。
慎重に調べる。
「ボルトが抜けて飛んでいる、銃身は根元より接合部分に沿って破裂、コレは接合不良だな。」
縦一列に裂け広がった銃身、コレで帝国の製法が解かった、唯の一枚板を丸めて接合しているだけだ。
焼きばめ、巻きがね加工すら行っていない。
ボルトのねじ山加工技術も低い。
無論、銃兵は重体か死亡だ、後ろに立っていれば飛んできたボルトで大怪我だ。
驚いたが少し安心した、帝国の銃はまだまだ発展途上だ。
手工芸品で製品バラツキが有るのに設計強度が低い。
しかし、何でこんな強度と工作技術で尖頭弾なんか作ったんだ?
弾体が重くなるから素材が火薬量に耐えられないなんて少し考えればわかるだろう?
コレではどっかの国の赤い悪魔並だ。
彗星を導いてくれるナニかが無いと地獄行き。
赤いのに運の無いヤツが悪い。
無論、導いてるナニが悪魔ならゲームオーバーだ。


=====================================

(´・ω・`)参考資料等:国友鉄砲の里資料館 銃床製作の掟

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:17:07 | 显示全部楼层
72.日報。

(´・ω・`)昔、誰かが日本の火縄銃は短床式だから命中率が悪いと言ってましたが。
(´・ω・`)鎧を着て、肩当てストックだと鎧の厚さが邪魔して構えるコトが出来ません。(一番解り易いのは、安い救命胴衣着てモデルガンを構えて見て下さい。)雑誌を服の下、肩に充てても良いけど。
(´・ω・`)…。(江戸時代初期には肩当て式が入ってきたけど流行らなかった。)流石ガラパゴスジャパン。全身鎧着て鉄砲を使う世界でも類を見ない変態進化。
(´・ω・`)ヨーロッパではマスケット銃を胸甲を装備してない竜騎兵が使っていました。ルネッサンス時期は鎧着て銃を使っていたけどピストル大名
(´・ω・`)後年の鎧は肩にストック当ての凹みが在るのがあったけど、鎧着たまま装填するのは難しいので多分、鎧専用の銃と鉄砲持ちが横に付いていたと思う。
(´・ω・`)なお、銃を買って初めにヤルのは。床尾板の調整です。今は調整できるストックが多いですが、一寸前はゴムパッド式で間に板を挟んで調整する方式が主流でした。
(´・ω・`)W.W.Ⅰぐらいまでは、支給された銃は。ナイフで床尾を削って個人が合わせていたそうです。
(´・ω・`)ちなみに、銃の所持許可証に記載されている銃の全長は”床尾板を含まなくても良い”と言う慣例が在り。
(´・ω・;)毎年の警察の銃検査で、全長を測る時はお巡りさんに”ココからココまでです”とを示さないといけません。

=====================================

夜間、指向性空中線と電信にてマルコ少尉との連絡に成功した。
コチラの質問にも返答してくれるので情報量が増えた。
”敵情変化なし。本日も敵は降伏勧告を行わず。”
なるほど、俺の目論見は成功した。
帝国軍め、攻撃を受けたのがよほど応えたらしい。
当初、簡単に降伏すると思い込んでいたのだろう。
コレでヤツラは真面目に戦争するしかなくなる。
夕食で各小隊長から、種報告を受ける。
兵員食堂が完成した、160席の食堂で8人掛けテーブルが20台で、手洗いと食器洗い場も有る。
2交代で全員の食事が出来る。
キッチンも備わりモーガン分隊が指揮して一般兵も調理作業に動員できる。
コレで中隊本部もローテーションに入るコトが出来る。
この世界には24時間戦える兵は居ないのだ。

次の朝、日常に成りつつある。各分隊が砦を出る。
工兵小隊は森で木を切り。
ロビン雑務小隊は草原で芝刈り。
ラカス補給分隊は川に洗濯に。
カール偵察分隊は息を殺して敵情把握だ。
厩舎の近くでフル装備のまま寝転がる待機中のジョン小隊を見回る。
「ジョンどうだ?」
「オットー、暇だ、鎌を振るいに軍に入ったワケでは無いのだが…。」
「四六時中戦争してる軍隊も無いぞ?」
「そうだな。本当に戦争しているのか?」
「戦争はしている。但し未だ戦闘が始まっていない。敵の集結が遅れているのだ。」
「くそっ、帝国め…。オットー、俺の故郷はどうなっているのだ?」
「すまないが…。情報は無い。」
「そうか…。父上が簡単にやられる訳が無い。きっと篭城してる筈だ。助けに行きたいが…。」
「どちらにしてもストラポルタ方面の平野は帝国軍の支配下だ。発見されず進むのは不可能だ。」
夜間なら出来るかもしれない。
但し、小隊程度の数で馬で押し通るコトに成る。
捕捉されたらおしまいだ。
「この。リレーベヴァルトの森を抜けてはダメなのか?」
「森に抜け道が有ればな。」
そんな都合の良い物は無いだろう。
有ったとしても南部回廊を隔てる森リレーベヴァルトを良く知る猟師が必要だ。
「有るぞ?」
なに?問質する前に兵が走って来る。
「伝令!!カール偵察分隊から入電。橋の向うに馬車20両随伴歩兵多数。2個小隊程度。騎兵少数が展開中とのことです。」
「副長、出撃準備!」
「出撃準備に掛れ!!」
ジョンの命令に打って響く兵達。
金具の点検と馬を出す準備に掛る。
「ジョンとりあえず中隊無線の所に行こう。状況を知る必要がある。」
「解かったそうしよう。副長、何時でも出撃出来る様にしておけ。」
「了解しました。」
流石ジョン、任せるコトは積極的に部下に任せている。

本部の無線機に到着すると、既にカールが来ていた。
「どんな状況だ?」
「現在、仮称H8橋を監視中の偵察分隊が対岸に2個小隊程度の敵輸送部隊を発見、敵部隊は周囲を捜索の上、近くの森に興味を示している模様。」
声を潜めて状況説明するカール。
「2個小隊か…。俺の兵とカールの分隊を指揮下に入れてもちょっと足りないな。」
一応、我が中隊の基幹戦闘3個小隊はマルコ小隊の一部を吸収しているので、全て増強小隊程度の兵力だ。
『こちら、カール分隊。仮称H8橋監視所より中隊本部、』
「こちら中隊本部どうぞ。」
『敵部隊は二つに別れ、一部の部隊は森で木を切り始めた。残りは街道上に残って…。メシの準備を始めている。馬車は全て街道上に停車したままだ。』
「了解、引き続き監視を続行せよ。」
「なんだそりゃ?」
「随分とのんびりしているな?」
乳タイプ兄弟もニガ笑いだ。
「恐らく…。橋を復旧する心算だ。」
「橋は破壊したが…。復旧するのには数日は掛るだろう。」
ジョンが呟く破壊した本人の見立てなので間違いは無いだろう。
「そうだな…。馬車が通れる程度なら二、三日で仮復旧。後は航続の部隊に任せるだろう。まあ、向うに大工が居ればの話だが…。」
同意見のカール。
「そんな所だな、今回は兵が多い。手が多いなら直に復旧できる、帰りも川を渡る心算なら無理に川を渡らず、到着が二三日遅れても橋の復旧に掛るだろう。存外、帝国軍は暇なのかもしれん。」
「暇…。まあ、時間に余裕が有るのならば。」
暇という言葉にカールは苦い顔だ。
だがコレで解った事がある。
「どちらにしても、今だ我々の存在を帝国は察知していない。」
軍団に対して中隊程度の兵力では気にもしないだろう。
敵の目の前で、のんびり橋を掛け直すコトもしない。
「どうする?オットー。俺は何時出れば良い?」
ジョンが出撃したくてウズウズしている。
しかし、相手は2個小隊で数が多い。
馬車も20台とお得だ。
「うーむ、今回は大物だ。確実に仕留めたい、手勢を集めて当った方が良いな。お宝がっぽがっぽ。」
「おい、オットー。何か発想がおかしいぞ?我々は王国軍なんだぞ?盗賊では無い。」
「そうか。カールすっかり忘れていた。まあ、今回はヤル事は変わらない。」
「敵を殲滅して装備品を全て奪取すれば良いのだろう?」
「そうだ、ジョン。そうなると敵が橋を掛けてる途中が良いか…。いや、渡りきった所が良いな。襲撃場所を選べる。」
「オットー、俺の順番だろ?出撃させてくれ。」
ジョンがヤル気だ、少し考える。
橋を架け替えるまでに、二、三日は掛る。
「よし。明後日夜明けと共に、カール、ジョン、ロビン各小隊は砦を出発!共同で敵補給部隊を襲撃せよ。」
「「「了解!」」」
「戦闘指揮はジョンに任せる。」
「え。俺?」
驚くジョン。
「まあ、仕方ない、オットーの命令だ。頼んだぜ襲撃指揮官殿。」
笑顔でジョンの肩を叩くカール。
「各小隊長と連絡を密に取ってくれ。大まかな作戦要綱を作成して提出せよ。」
「え?指揮官ってそんな事しないと行けないのか?」
ナニを言ってるんだ?俺は毎日、日報書いて戦闘が在ったら戦況報告書まで書いているのに。
カールは笑顔だ、先日は日報書くのに苦労していたとスパス中尉からの報告も在った。
「おいおい、お前等、何の為に俺が先の戦闘を兵達に根掘り葉掘り聞いていたと思っているんだ?報告書の為だぞ?明日の昼までに提出しろ。」
無論いい加減なモノでOKだが、解かり難い書式を守って書かなければ成らない。
「まあ、手伝ってやるからな。ジョン。書くのはお前だが。」
「えー。俺、書類仕事やるくらいなら出世したくない。」
おいおい、ジョン、軍人の仕事は雑務がメインで戦闘はオマケだぞ?
無論戦闘をこなさないと、この先生きのこれないのだが。


次の日、何とか昼過ぎにジョンから、作戦要綱の書類を受け取った。
二、三回書き直しさせたので昼が過ぎてしまった。
少々遅れたが砦を出る三個中隊、殆ど全力出動だ。
砦には中隊本部付けの小隊と工兵隊が残る。
マルコ少尉からの連絡では、特に帝国軍に動きは無い。
橋を監視する分隊からは、絶賛樵中で、木材加工中の様子だ。
仮設作業にも入っていない。
但し。掛け始めたら完成は早い。

その日の夕方。随分と寂しい仕官食堂内で報告を聞いた。
ジョン戦闘団は日没前に監視分隊との合流を果した。
明日から敵の移動に合わせて、襲撃計画を実行に移す。
順調だ、明日から砦も戦闘配置だ。
敵より多い数を用意したのだ。
皆殺しにして荷物を奪う。
必ずやり遂げてくれるだろう。

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:17:33 | 显示全部楼层
73.ジョン戦記1

監視の丘に到着してカールとロビンを集めて作戦会議を行った。
報告では、敵は木の切り出しを止め、木材加工中で一部の兵が川の中に入っているのが確認された。
明日から仮設作業に入るため、水深を測っているのだろう。
破壊した橋の台座を利用する心算なのかもしれない。
「今、襲撃したいな。」
カールが呟く。
うん、解かる。
「橋を渡りきってから襲撃したい…。今がチャンスなのも解かってる。」
「たしかにそうだな、ジョン。正直、20両も馬車を渡河させるのは骨だ。」
帝国の動きは良く解からないが教本では…。
「完成したら…いや、馬が渡れる様になったら、騎兵を偵察に出す筈だ。」
カールが答える。
「監視の分隊の報告では、騎兵は周囲の警戒に当るだけで、川を渡った者も渡河可能地点の捜索もしていないそうだ。」
「うーん。」「うーむ。」「…。」
ロビンが無言だ。
中隊内で唯一の貴族階級を持っていない小隊長だがオットーの子飼なのだ。
もう少し威張っても良いと思う。
「騎兵が8に武装した者が30乃至40残りは鎧すら着て無い。女、老人まで居る。」
「つまり…。職人と領民を連れた補給部隊か?」
戦争には色々要る、靴職人、鎧職人、鍛冶屋、司祭、洗濯女、そして娼婦。
中隊長の命令、”軍属は全て殺せ”が重く頭をよぎる。
一応は女子供でも敵軍と共に行動しているなら領民でも奴隷でも軍属扱いだ。
「あの…。市民とどうやって見分けるのでしょか?」
初めて口を開くロビン。
そうだな、国境の村で奴隷に成った捕虜も居る可能性が在る。
「王国語で呼びかけて答えなかったら敵だ。」
カールが簡単に答えを出す。
「それもそうだ。」
「女、子供もですか?」
「それが命令だぞ?」
今更訪ねるロビン。いや、確認しているのだろう。
「はい、了解しました。」
暗い返事だ。
カールも同じ心境の様子だ。
まあ、俺もな…。
「では作戦の話をしよう、俺としては馬車が半数以上、渡河した時点で襲撃したい。」
「ジョン、橋の上で戦うのか?」
「…。」
「敵兵が少ないコトが解かった。1個小隊を川の向うに派遣して橋の上で挟み撃ちだ。」
「簡単に言うが…。」
「残りの2個小隊の弓兵を抽出して下流の河川敷きから矢を掛ける。川に落ちた兵を射殺す。後方に目が集まっている間に渡った部隊を襲撃だ。」
「了解それで行こう。」
「…。了解しました。」
渡河して初撃を与えるのはロビン小隊に決った。
カールと俺の小隊の合同で前方の敵を叩く。
移動は明日の朝。
恐らく昼には攻撃開始地点に到着する。
予想ではあと二日間程度で橋ができる。
ソレまで長い待機になりそうだ。

二日めの夕方、一両の馬車が真新しい木を軋ませ川を渡った。
歓声が風に乗って、ココまで聞こえる。
もう直、日没だ、馬車の周りの天幕は片付いていないので明日の日の出と共に出発だろう。
ロビン小隊には連絡済だ。
攻撃開始の電信と共にロビンが後方を襲撃。
我々は渡りきった敵を掃討する。
話は簡単なのだ。

翌朝、日の出と共に慌ただしく動く敵兵達。
川で水浴びをする兵や、洗濯をする女達の黄色い声も聞こえる。
周囲が明るくなると、騎兵を先頭に整列して、兵が渡る。
続いて一両づつゆっくり馬車が渡る。
「10両目、渡ります。」
「準備せよ!」
「了解!”準備せよ。””準備せよ。”」
無線機に囁く兵、こんなに長い2日間は無かった…。
カールは平静を装っているが、息が浅く速い。
俺も、鼓動が早くなってる。
各分隊から返信が来る。『準備完了。』
今、11両目が渡りきる所だ。
深呼吸して吐き出す。
「攻撃開始。」
「”攻撃開始””攻撃開始”」
無線手が低い落ち着いた声で話すので、何の感動も無い。
只、”始まってしまった”と言う喪失感しかない。
「開始」の声で動き出す襲撃隊。
街道を走るロビン小隊が姿を現すと、はじめ何も行動を起こさない帝国兵達。
おかしい、反応が遅い。
前にゆっくり出た騎兵がロビン小隊に飲み込まれ斃れるのを見て始めて反応した。
女の叫び声が良く通る。
後方に集中している間に我々の部隊が迫る。
ほぼ背中を見せていた敵兵に剣を立てる。
嫌な感触が手に広がり斃れる兵。
河川敷きに展開した弓兵が矢を掛け、橋の上の兵が川に落ちる。
馬車を操る兵が矢を受け崩れる。
馬車は渡りきるまで進み馬が止まった。
一方的な殺戮は終わった、襲撃してみたら、敵兵の殆どは半農の領民兵だ。年配の者が多い。
馬車を盾に隠れていた兵が武器を捨て降伏する。
民間人を引き剥がし武装解除する。
ロビンと合流した。
「敵の殲滅に成功しました、逃げた兵は居ません。民間人、女5、子供1老人3を捕虜にしました。ケガ人は処置済み。損害、死亡2名重症3、後は軽症、又は治療済み。」
衝撃的な報告だ。
コチラに損害が出たのだ。
「了解、こちらは敵兵7人を捕虜にした。民間人は未だ不明だ。片付けに掛れ。装備を剥ぎ取り遺体は全て埋めろ。捕虜を引き渡せ纏めて監視する。」
「了解しました。」
何か引っ掛かる、オットーは何と言っていた?
”死んで直、鍋が冷める時間内なら蘇生できる”
橋を渡るロビンの背に声を掛ける。
「死亡した兵を砦に急いで送る。重傷者もだ。直に用意しろ。」
「りょ、了解しました。」
命令を受けて走るロビンの背中を見送る、俺も負傷兵の護送の準備に掛ろう。
河川敷きに展開した兵が死体に矢を打ち込み確認して引き上げている。
捕虜が道の端で穴を掘り始めた。
ケガ人の収容場所へ向かい療兵に尋ねる。
「コチラの損害は?」
「カール小隊も含め、死亡3、重体4です。」
「よし、ロビン小隊の死傷者も含め、急いで砦に送る、中隊長殿に見ていただく。馬車に乗せろ。」
「了解しました。」
鹵獲した馬車に馬を四頭付け直し。
遺体と重症者を乗せ出発した。
間に合って欲しい。
「この調子なら昼過ぎには撤収できるな。」
カールが声を掛けて来た。
「ああ、そうだな、死傷者は馬車に乗せ、中隊本部に移送した。」
「了解した。コチラは2人やられた…。」
「そうか…。」
死者の顔を見ていなかったコトに今更、気が付いた。
俺の兵は一人死んだのか…。
血の付いた破れた衣服を馬車に積む。
こと切れた裸の敵兵が引きずられ穴に落とされる。
全ての敵兵の死体が穴に入るとカールが命令した。
「捕虜は全員、服を脱がせろ。」
兵が手荒く捕虜の被服を剥く。
集められた民間人の女達が青い顔だ。
子供の目を塞ぐ老人。
「まて、カール。」
「なんだ?命令だぞ?ヤレ!!」
さも当たり前の様に言うカール。
いや、イライラしているのだ。
決断した時のカールだ。
兵達の剣が刺さり、断末魔と共に穴に落ちる捕虜達。
「次の捕虜を連れて来い。」
叫ぶカール。
「まて、カール。他は民間人だ。」
思わずカールの肩に手を置く。
「違う、軍属の捕虜だ。」
「女子供、年寄りを殺すのか!?」
「ジョン、命令を忘れたのか?」
身を翻し肩を解くカール。
兄貴分とにらみ合う。
「解かっている、しかし、武装していない!」
「ソレがどうした。伍長!連れて来い!用意しろ。」
女達の腕を掴む兵。
帝国語で何か叫ぶ女、恐らく命乞いだろう。
抵抗するが男の腕力には勝てない。
引きずられる女達の声が耳に刺さる。
「止めろカール!」
「ジョン、ソレは命令か?」
酷く冷たい声だ。
「襲撃指揮官としての命令だ。その民間人は連れて帰る。」
「俺は、警告したぞ!」
「ああ、解かってるカールこれは俺の判断だ。」
「おい!その女達の腕を縛り口を塞げ。目隠しもしろ!!馬車に乗せ監視を付けろ。」
カールが腹立たし毛に兵に命令する。
「「了解。」」
「残りの兵は穴を埋めろ。撤収準備だ。痕跡を消せ。」
結局、民間人捕虜は女8人に子供1、男が6人だった。
女は若い者が多い。雑役の洗濯女兼飯盛女で、まとめ役の寄親よりおやは武装していたので殺害されていた。
子供は女で年寄りの職人の孫で、足が悪いので身の周りの面倒を見ている者だと言う。
他の男は革職人や、鍛冶職人、木工職人等の雇われ職人で中年以上が多い。
とりあえず、片言の帝国語で、
「何かを行うときは言え。何かを欲しい時も言え。指示に従え、逆らえば殺す。逃げれば殺す。」
と言ったら何となく通じた様子だ。
こんな事なら帝国語を真面目に勉強しておけば良かった。
大人しく馬車に乗せられる捕虜達。
地面の掃除が終わると。
仮設橋をお札を使い破壊し燃やした。

黒煙を上げる橋を尻目に車列を並べて中隊本部へと戻った。



砦が見えるとコチラをもう既に発見していた様子で手を振る兵が見えた。
死傷者は既に護送していたので。
結果は概ね伝わっている筈だ。
城兵達は勝者の凱旋を祝ってくれている。
砦に入るとオットーが出迎えた。
「よくやった、ジョン。死傷者は収容した、残念ながら、三名は蘇生できなかった。他は時期に回復するだろう。」
思わず、詰まる。
「そ…。そうか、貴重な部下を失ってしまった。」
「ジョン、結果はそう悪く無い。これは戦争なのだ。」
まるで、チェスゲームの駒の様に話すオットー。
流石ハイデッカー、言う事が違うな。
俺はそんなに簡単に人の死を受け入れる事は出来ない。
ソレが敵国の女子供でもだ。
「ジョン、報告しろ。」
不貞腐れるカール。
ロビンは青い顔だ。
そうだな…。俺の判断なのだ。
「オットー。敵兵は全て殲滅して埋葬、戦場の痕跡を隠蔽した。敵が施設した仮設橋は破壊。」
「うむ、そうか。」
「それと、民間人を捕虜にした。」
「…。ジョン。ソレは王国民なのか?」
「いや、不明だ。民間人の女と…。職人の類だ。」
「俺が王国語で話し掛けたが答えなかった。」
カールが冷たく言う。
「そうか…。カール。進言しなかったのか?」
「中隊長殿、俺の判断で捕虜にしました!」
カールが返答する前に報告する。
オットーは、大きく息を吸い込んで…。
そのままゆっくり吐き出し。
低い声で答えた。
「そうか。ソレは仕方が無いな。」
「はい。俺の判断は間違っていたと思っていません。」
「解かった、ジョン、処分は考えておく。」
「ありがとうございます。」
大げさに敬礼する、オットーは怒っていない様子だ。
良かった。首を跳ねられるかと思った。
「しかし。捕虜の収容には色々準備が要る。スパス中尉、鹵獲品を検品せよ。目録を作ってくれ。」
「了解しました。」
ダークエルフの上官が敬礼して下がる。
「ジョン、カール、ロビン。戦死した兵の埋葬を行う。葬儀の後、報告書を作成しろ。ジョンは工兵分隊を指揮して収監する檻を作れ。資材は伍長と相談せよ。」
「「「了解!」」」
もう既に、戦死した兵は綺麗に清掃され、布に包まれていた。
穴の中へゆっくり運ばれる。
砦から少し離れた場所に埋葬される兵、戦死したのは、ロビンの兵2名と俺の兵だった。
家族に手紙を書かなければならない。
後、戦死した状況も…。
名前を聞いたがどんな男だったかも思い出せない。
何度か会話はしたはずなのに。
各小隊の小隊長と兵が整列している。
生き返った兵と重症で怪我から回復した兵は未だ包帯姿だが立って歩く程度には回復している。
しかし、呆然と戦死者を見送っている。
悲壮な顔をするロビン。
白いタスキを付けた兵が戦友を埋める。
中隊長が何処かの神の経典を唱えている。
オットーが司祭の真似事まで出来るとは驚きだ。
コレで、この異郷の地で眠る男たちは神の僕になり魂が大地死肉から抜ける。
腐敗した身体に縛り付けられ、彷徨うアンデットには成らない。
葬儀が終わり解散すると工兵伍長がやって来た。
「中隊長殿から収監の為の檻を作れと命令を受けました。」
「そうか…。資材は有るのか?」
「中隊長は20ほどの材料を確保せよと言われています。」
なるほど…。コレから増えるかもしれない。
「そうか…。精々立派な檻を作ってやろう。」
「はい!」
工兵伍長がもう既に設置場所をスパス中尉と相談済みで。
材料を加工して組み立てるだけだった。
釘や金具は帝国からの鹵獲品だ。
やることが決ると手が早い工兵諸君。
帝国製の大天幕の下、20の狭い檻が出来る。
余った資材で机と簡易ベッド、トイレも作ってやる。
と、言ってもおまるの壷一つに狭い板一枚だ。
大男なら膝を丸めないと眠れない広さだ。
日没までに、オークが暴れても壊れそうに無い檻が完成した。
完成したのでオットーを呼ぶ。
「どうだ、オットー。力作だ。」
「ほう、頑丈そうだな。」
「ああ、ベッド、椅子はベッド座ることになるが折りたたみ机、簡易トイレにフタまで付けた。狭いが快適だ。」
「どうやって使うのだ?」
中に入って見せる。
「この板をこの檻の間に入れて机の足を出す、コレで完成だ。」
工兵が考案して作った物だが、良く出来ているので自慢する。
オットーが微笑みながら檻の扉を閉めて閂を掛け鍵を閉じた。
「そうか…。ところで、ジョン・ヴォルーデ少尉。お前の処分を言い渡す。命令違反、重営倉3日だ。精々ソコで反省しろ。ああ。あと今回の戦闘報告書を提出しろ。」
邪悪な笑みで鍵を手の中で玩び魔法収納するデブ。
伍長に促されて、腰の剣を取上げられた。

そりゃ無いぜ?オットー。


=====================================

(´・ω・`)実は戦闘のプロットが先に出来ていたので学園編での人数が多くて大変だったのが思い出。

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:17:51 | 显示全部楼层
74.尋問。

(´・ω・`)…。(オットー君のわくわく尋問教室)

=====================================

帝国軍の補給部隊を襲撃して。
物資の強奪に成功した。
コレで食料、物資の心配は何も無くなった。
少なからず損耗を出したが結果としては悪く無い。
”復活の指輪改”は、三時間程度前まで遡るコトが出来るが。
魔力の消費が半端無い。
それ以上経ってしまった遺体は復活できなかった。
営倉に入れられたジョンの代わりに小隊を、カールとロビンが面倒を見ている。
まあ、下士官が分隊行動に慣れているのでソレほど負担は大きくない。
普段からジョンは部下に丸投げしていたのが良いほうに働いている。
俺は空いた時間に一人づつ捕虜の尋問を行っている。
主に、名前と歳、生まれた町、家族構成、移動した日時と町の名前、何処で部隊と合流したのか?が質問内容だ。
女達は多少の差が在れど。概ね帝国南部の貧農の娘で教会で読み書きを覚えて親に売られたクチだ。
駐屯部隊の主計士官に取入っている、雑役一座でまとめ役の寄親よりおやに買われ。
洗濯や買出し、食事の用意。
兵の相手等をしている女達だ。
部隊と共に移動して来たので帝国の進攻準備の経緯は解かった。
かなり大量の部隊が動いている。
馬車の一両はまとめ役の馬車で、駐屯地で店を開く為の天幕と家具。
女達の私物のドレスや着衣、化粧品で在った。
家族からの手紙や、兵からの恋文、家への仕送りの金額、貰った貴金属等が書かれた寄親の帳面の内容から。
勘違いや記憶違いは在れど概ね言っている事は正しいと言うことが解かった。
後で私物の返却を約束したら、女達は徐々に協力的な態度を取り始めた。
まあ、進攻軍にくっ付いて来る民間団体だ。
変わり身が早い手首やわらかい。
お茶と菓子を薦めると雑談にも応じる様になった。
特に、先の皇帝が倒れた後の混乱に付いては色々な噂が走っている様子だ。
前の皇帝の新后と末の娘をカーレー伯が殺した。とも、いや反乱討伐の戦闘に巻き込まれた。異端として教会騎士団に捕らえられた。等の噂が沢山あるそうだ。
総合すると”新皇帝は南側では人気が無い。”
まとめ役と護衛の男は武装していたので兵が殺してしまったのが残念だ。
もう少し、詳しく情報が取れそうだった。
帳面や日記からは几帳面な性格の男だ。
残念だが仕方が無い、まあ、抵抗したのだ。

後は初老や中年の男が6名、内訳は。
刀鍛冶、馬具職人、鎧職人、床屋、大工が2名だった。
特に問題無い。鹵獲した道具の中にもそれらしい道具が摘んであった。
但し、明らかに銃砲鍛冶屋の道具が含まれている。
長いドリルに、ねじ山を掘るバイス、特殊なカンナ、予備の銃身が20本、からくりの各種部品鹵獲されている。
この中に鉄砲鍛冶が居る…。
なお、床屋と大工は直に解かった。
帝国の床屋は理髪ダケでなく整体術と簡単な外科手術が行える。
瀉血の手順と注意点を淀みなく答えた。
鹵獲した手術道具の使用用途の質問で難なく答えたのだ。
大工は手の平の傷や肉刺、上半身の日焼け具合で直に解かる。
なんと言っても腕に火傷の跡が無い。
問題は、刀鍛冶、馬具職人、鎧職人。
全て金属加工で火を扱う。
腕にも火傷の跡で手の平はハンマーを振るった豆だ。
鉄砲鍛冶の道具を順番に見せたが全員が知らないと答えた。。
とりあえず怪しいと睨んだのは馬具職人の初老の男だ、孫娘を連れていた。
足が悪いので身の周りのコトを遣らせる為に連れて来たそうだ。
怪しいので尋問だ。
呼び出された馬具職人は取調室の椅子に座らせた。
腕の縄を開放する伍長。
翔ちゃんの世界の取調室を再現した力作だ。(カツ丼はない)
「さて、何度も済まんな。幾つか聞きたいコトが在る。」
「特に何か答えることも無いと思うが…。なんだね?」
とりあえず陽気に尋問を始める。
「いや、貴殿が悪目立ちしているから怪しいのだ。戦場に孫娘子供を連れて来ている様なのでな。」
「御領主さまからのお話では安全な場所だと聞いたのだ。」
軽いジャブに軽く答える職人。
「そうか…。何処の貴族だったか?」
「クロデラート様だ。何度も話した。公爵様で今回の遠征にも軍を出している。」
「クロデラート公爵軍の規模は?」
「知らない、各村から兵隊が出ている、集まった場所に行った事が無い。出発した後に…。呼ばれて、戦地に向かう馬車が有るから付いて行けとのお指図だった。」
「ではこの補給部隊はクロデラート公爵軍の物ではないのか?」
「詳しくは知らない、一番偉い騎士様は聞いた事無い名前の男爵で、皆ソコの町の兵だった。」
「その指揮官は何か言っていたか?雑談でも良い。目的地や、合流に関するコトだ。」
「特に聞いていない。」
ココが一番怪しいのだ。
他の女や、職人はほぼ全員が、”教会騎士団が集めた義勇兵の後を追いかけて居る”と”兵か指揮官”が話ていた。との証言だ。
証言が食い違うのはおかしい。
何かを隠しているのなら、その何かを知る必用がある。
だが、個人での証言の齟齬は無し。
新たな情報が得られなく為った。
仕方が無い、今日は手法を変えよう。
「おい、伍長。娘を連れて来い。」
「はっ、了解しました。」
「待ってくれ。孫は関係が無い。」
足の代わりに使ってたなら。
どんな仕事をしていたのか知っているハズだ。
娘は何も喋らなかった。
初めは怖がっているのだと思ったが。
名前も言わない。
スパス中尉に換わって貰ったが同じ反応なので。
何も話すなと言われているのだろう。
ココで揺さぶりを掛けよう。
「さて、コレは何か知っているか?」
収納からマスケット銃を出す。
驚いた顔の馬具職人。
「し、しらない。」
驚くだろう。今回鹵獲した馬車には完成品は無かった。
つまりコイツが当たりだ。
「そうか…。コレは帝国の…。まあ玩具だな、その程度の物だ。問題はどうやって使うか…。知っているか?」
「しらない、見たことがない。」
頑なな爺。
まあ、良い。
「連れて来ました。」
「お爺ちゃん。」
孫の問い掛けに目を伏せる馬具職人。
その反応で、娘の口は堅くなる。
中々、頭の良い賢い子の様だ。
「オウ、伍長。その娘をそこの角に立たせろ。」
「ハッ」
「お前はコレの使い方を知らない。使用目的も知らない。良いな?」
「そうだ。」
「なら問題はないな。」
収納から紙に包まれた早合を取り出す。
帝国では紙薬莢は発明されていない様子だ。
俺が作っておいた早合だ。(と言っても弾と火薬量を紙でキャンディ巻きにしただけ)
素早く紙薬莢の口を破り、火蓋を空け火薬を小量セットしてフタを閉める。
銃口から火薬、弾、最後に軽く握りつぶした紙殻を入れてさく杖で固める。
散々空堀の底で撃ったので流れる様に出来る。
驚きの表情の祖父と孫娘。
最後にハンマーを上げ構えて銃口を娘に合わせる。
娘の顔に恐怖の影が現れ震える、ロビンは発砲されても武器とも思わなかったのにな。
「や、止めてくれ!」
爺が叫ぶ。引っ掛かったな?
「お前はコレの使い方を知らないはずだ。何なのかも知らない。そうだろ?」
勝った、思わず笑みを浮かべて、腰をひねり、そのまま爺の方に銃口を向ける。
星門の先の爺の顔、恐怖が支配している。
用心金に指を入れる。
俺が引き金を引けばどうなるか知っている顔だ。
「や…。やめろ…。やめろ。」
「俺も、王国軍の士官だ。女子供に手を掛けたくない。しかし。この道具はどのような効果が有るのだろうか?」
「わかった!話す!話すから止めてくれ。」
「ご協力ありがとうございます。伍長、その子を元の部屋に戻せ。」
「了解しました。」
「お爺ちゃん!」
伍長に腕を引かれて退室する娘。
ダァー☆が閉まると。
馬具職人はボツボツと話始めた。

結局、馬具職人は馬具職人で、村の鍛冶屋の倅として生まれたが、若い頃、手先の器用さを見込まれて町へ赴き。馬具職人として身を建て工房を持ち、店が大きくなった。
そして歳を取ったので、弟子と息子夫婦に工房を譲り。
生まれた村で時々、鍛冶屋の仕事をしながらの隠居生活で孫と共に生活をしていた。
二、三年前に教会の騎士が訪ねて来て、腕を見込んで”改良と量産をお願いしたい。”と見たことも無い”武器鉄砲”を持って来た。
ソレがこのマスケット銃だったそうだ。
改良に成功した馬具職人は息子の工房で指導して、出発までに2000丁の完成品と120丁の半完成品を教会に納め。
教会の騎士は各地で義勇軍の募集を行ない今回の外征に参加した…。
戦地に鉄砲鍛冶が必要で安全な後方での仕事と言う事で、遠征を引き受けたのが爺と孫娘。
爺は銃の製造法は知っていたが、火薬の製造法を知らなかった。
持ち込んだ教会の騎士が何処かで作らせていたそうだ。

なるほど、情報に嘘は無さそうだ。
俺が吹き飛ばした一個連隊は帝国教会の騎士団と義勇軍、ソレに地方の弱小貴族の寄せ集めになる。
未だ我々は帝国軍本隊とも戦って無いのだ。

なお…。
火薬の量は弾の重さの1/3で正解だった。
尖頭弾は大型魔物の止め用に使うらしい。
破裂した銃身の銃を見せたら息を呑んで”撃った兵はどうなった?”と聞いてきた。
”いや、銃を固定して引き金を紐で引っ張って無人で撃った。”と答えたら微妙な顔に成った。
強度が全然足りない。ソレは解かっているらしく、大人しく白状した。
帝国は銃身を換える事で対応する気の様子だ。
地金の鋼を改良したり、銃身を厚くする考えは無さそうだ。
うーむ、改良が上手く行ってないぞ?
銃自体が重くなって機動力が下がる事を嫌がっているのだろうか?
確か初期のマスケット銃は重く長い、その為一脚バイポッドを使っていたハズだ。
火薬の燃焼速度も遅すぎる…。効率が悪いのだ。
本来なら長い銃身を作り、火薬の量を一定にして、発砲と銃身を切り、短くしながら正解の数字を出す実験を行う。
話では火薬の燃焼実験すらしていない様子だ。

なんだ?このDIY溢れるエエ加減な仕事は…。
とりあえず鉄砲鍛冶には問題点を何も指摘しなかった。
作られたマスケット銃は少数で帝国軍の主力装備でないコトが判明した…。
どうしよう?俺、砦を203高地仕様で作っちゃたよ…。
塹壕戦で重砲と機関銃は魔法使いでカバー。

後は敵兵の死体で大地を埋めるだけ。
明るく楽しい旅順要塞です。
皆さんもご一緒にPOP,STEP,Let’s玉砕!!の…、ハズだったのだが…。
作戦変更が必要だ。

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:18:08 | 显示全部楼层
75.暇は甘美な毒3

捕虜の尋問も大体終わり、今日の夕方にはジョンも檻から出てくる。
今は資料の整理と報告書を自室で書いている。
なお…。ジョンは捕虜と同じ天幕内の一番離れた檻に収監されていたが。捕虜の視界には入る位置だ。
殆どの捕虜がジョンの身柄の心配をしていた。
監視の兵からの報告では、捕虜と会話をしていない様子だ。
原因は明らかに捕虜処分の命令違反での収監であると…言葉の解からない帝国臣民捕虜でも理解しているのだ。
まあ、カールの処刑命令を中止させたのがジョンだ。
現地での状況は兵からも各、下士官からも聞いている。
捕虜処分の状況下で言い争う士官だ。
状況的には、ジョンは捕虜達の命の恩人なのだ。
コレはストックホルム症候群なのだろうか?
翔ちゃんの記憶を辿る。
「ストックホルム丸太に囲まれた島か…。やはり丸太は万能なのだな…。」
流石丸太だ、びくともしない。
異世界での丸太の使用法は無限大。
砦の防衛にも大活躍。
兵達は砦内部での戦闘訓練に明け暮れている。
主にナイフを付けた丸太…。短槍での塹壕内戦闘訓練だ。
翔ちゃんの記憶では銃剣道と言う格闘戦の手法だ。
確かに狭い場所で剣を抜くのは難しい。
サーベルでは技量が伴なわないと良い働きが出来ない。
レイピアでは狭い場所での乱戦には不向きだ。
と言うか武人の蛮勇に剣レイピアが持たない。
なんで王国軍は未だレイピア一本なんだ?
今更考えても仕方が無い。
もう既に状況は動いてしまった。
今は次の手を考えなけれなら無い。
経営者は往々にして上手く居っている時に危機感を覚える。
そして、要らん事をして土壷に填まる。
特に、社長が意識高い系の本を”読め!”と言っている時は要注意だ。
あいつら、上辺だけの成功例を強調するが、前段階の長い念密な準備と計画をすっかり意図的に無視している。
人間、オイ、コラ。ダケで動くものでは無いのだ。
きっと、後で俺がジョンの処罰を手心加えていると騒ぐ者が出てくるだろう。
ジョンの考査表に書く文面に頭を捻る。
何せ、ジョンの出世が掛っているのだ…。
正直、ジョンとカールはセットで行動させたほうが良い。
ジョンが幼少よりカールの補佐をしてきたのが完全に機能している。
カールは命令を杓子定規に実行しすぎる。
ジョンは命令を状況に合わせて独自の判断で実行する。
悪く無いが、お互い危険な兆候だ。
カールが指揮官でジョンが副官なら上手く動くだろう。
この状況で、全てを任せる指揮官が居ないのは正直辛い。
ロビンは全ての命令に消極的だ。
命令すれば実行する。
平時なら問題が無い士官だ。
独自の判断は出来ないので見える位置にしか配置できない。
ジョンの賞罰事項に玉虫色の文言を書き込む。
「まあ、コレがジョンの出世に響かない程度の文面だな。」
自分に言い聞かせる。
壁をノックして従兵が来た。
ドア替わりの布が揺れる。
「カール少尉がお見えです。」
「通せ。」
書類を片付ける。
カールが入室しました。
「ただいま参上しました。」
「すまんなカール。小隊の状況はどうだ?兵に疲れは無いか?」
「はい、中隊長殿、特に問題は有りません。」
顔色の悪いカール。
「そうか…。報告は聞いていると思うが、マルコ少尉からの情報で、ストラポルタ周囲の帝国軍は森の中で伐採を始め、複数の小屋の建築を始めたそうだ。」
「はい、聞いています。」
「初めは兵舎かと思ったが…。かなり建屋が高いらしい。俺はコレを攻城戦兵器だと思う。」
「攻城戦兵器?」
カールが初めて聞く言葉の様な顔だ。
おかしいな。攻城戦兵器は翔ちゃんの世界でも古代から有る兵器だ。
城塞を突破する為の土台プラットフォームだ。
移動式で…。
恐らく、平坦な場所でしか動かせない。
大掛かりなモノなので、時間が掛る。
陽動かもしれない、それなら既に地下坑道のが有る程度に進んでいるハズだ。
「様は、城壁を乗り越える為の梯子だ。無論、兵を護る為の壁護りが有る。塔を作って動かし城壁の上へ直接兵を送り込む。」
「そんな兵器が有るのですか?」
「いや…。有るはずだ。突撃用の地下坑道を既に掘っているかもしれん。」
顎に手を起き考える。
確かに王国軍は機動戦術を持って帝国と戦ってきた。
今まで帝国は辺境の村の攻略がメインで都市攻略は…。
どうだろ?有ったハズだ…。
篭城戦は有ったハズだ。
記憶に無い、
まあ、王国にストラポルタほど立派な城塞都市は他に王都と南の港町オキノ位しかないからな。
後は簡単な軍事施設砦しかない。
「完成するのには、かなり時間が掛るのでは?」
「そうだな、城塞攻略は時間が掛るのが常識だ。」
大砲が出てくるまではそうなる。
今の所大砲は無い。
捕虜の尋問から火薬の生産量は多くないようだ。
手榴弾ぐらいは作っているかもしれない。
後…。迫撃砲。
「さて、相手が準備しているのでコレを妨害したい。目的は敵指揮系統と建設中の攻城兵器の破壊だ。その為の敵の配置の情報が必要だ。」
「了解しました。」
「既に、マルコ少尉から敵の位置等の情報を収集している。攻撃予定は明後日の夜明け前、夜襲を掛ける。ジョンが復帰しだい…。今夜作戦を伝える。」
「はい。わかりました」
「さて、ジョンから少し聞いたのだが…。この北の森。リレーベヴァルトの抜け道が有るのか?。」
机の上の地図を指しカールに訪ねる。
少し考え、答えるカール。
「ああ、有るな。徒歩と馬なら通ることが出来る。昔、ジョンと…。家の者で狩りをした時、抜けたことが有る。」
流石地元民、抜け道に詳しい。
「そうか…詳しい場所は解かるか?」
地図を指差し記憶を辿るカール。
指先はカールの所領から、南東へと森を進み、南に転進した。
この砦から北東方向の森だ。
「たしかココだ。」
「そうか…馬車は通過可能か?」
「いや、獣道に近い。枝を切りながら馬で進んだ。一部は馬を下りて歩いて進まなければ成らなかった。崖も有った。水場は無い。20人程で4日程度で抜けた。」
「うーむ。」
なるほど…。大部隊の移動は不可能だが連絡ぐらいは出来るのか…。
「どうするのだ?オットー。」
「敵の補給路を叩く為に別働隊を編成したい。」
2個小隊又は1個増強小隊は出すコトになる。
「俺に行かせてくれ。」
「あ?ああ無論だ。現地の地形を知る者を出す。未だ作戦前の段階だ。どの程度の兵を通過させることが出来るか知る必要がある。敵に発見されないようにな。」
「オットー頼む、故郷の状況を知りたい。救援に行きたい。」
「カール…。今は未だ許可できない。作戦内容は強行偵察だ敵に捕捉されれば全滅だぞ?」
「解かっている。それでも行かせてくれ。」
「友軍の到着時に相手と連絡を取るのだ。未だ作戦案でしかない。ジョンが復帰したら相談して情報を纏めて報告してくれ。」
「了解しました!!」
何故か元気になるカール。
そのまま退室する。
大丈夫か?
まあ、良い。
士官に元気が無いと兵が不安になる。
マルコの情報を整理する。
ストラポルタ周辺の地図に敵の配置にコマを置く。
攻城兵器と思われる建屋は城壁を取り囲む様に等間隔で建設されている。
恐らく発進位置での建設だろう。
全てを破壊するのは不可能だ。
森の一部、伐採した丘の上に天幕が集中しているとの報告だ。
進攻軍の指令部だろう。
確か、大砲が実用化されるまではお互い良く見える位置に大将が居るのだ。
いや、大砲の射程がとんでもなく長くなったのが原因だ。
山を越えて飛んで来る。
位置が暴露されると集中砲火だ。
「そうか…。城壁から攻撃すれば良いのだ。」
俺が攻撃距離を敵に教えたのだ。
敵はその攻撃距離を信じてその外で建設している。
問題は…偽装しなくては…。
悪魔で我々の存在を…。
相手に誤認させ隠蔽しなければならない。


さて、観測が終わり日が落ちて夕食になる。
士官室は久し振りに全員が揃った。
現状での全員だが。
俺の後ろの壁にはストラポルタ周辺の地図と戦況を示す敵のピンが立っている。
「さて、では先に飯にしよう。」
「はい。」
モーガンの指示で配食が始まる。
ロビンの顔色は相変わらず悪い。いや、ビクビクしている。
カールは妙に元気そうだ。
ジョンは特になんでもない顔だ。
スパス中尉はツヤツヤ度が下がっている。
皿が揃ったので食事に掛る。
「では、豊穣の女神に感謝を…。」
皆で祈る。
豊穣の女神様。今から大地を敵兵の屍と灰で豊かにします。
疫病は勘弁してください。
祈りが終わり食事に掛る。
皆無言だ…。
一応、作戦前だと解かるらしい。
おう、士官室ガンルームの中の麩陰気で最悪…。(注意:ガンルームは甲板士官室の事です。)
食事が終わり無言のお茶も片付くと…。
先ず俺が告げる。
「さて、現状を説明しよう。敵はストラポルタ攻略の準備を始めた。敵は城壁に対して等間隔で攻城戦兵器を組み立てている。敵の攻撃開始は最短5日程度と思われる。」
席を立ち指示棒で示す。
「我々の目標はコレら攻城戦兵器の破壊だが、範囲が広すぎるので全ての破壊は不可能だ。
 その為、少々ややこしい攻撃を行う、明後日夜明け前、ロビン小隊は南門周辺の比較的圧迫が薄いと思われる敵を襲撃。
カール小隊は南西壁から西門までの攻城兵器の破壊。俺の小隊は敵指令部と思われる丘の襲撃だ。ジョン小隊は遊撃と撤退する友軍の支援だ。
 下士官までには夜間でも見える魔道具を配る。コレは敵に存在を知られては成らない兵器だ。取扱に注意すること。」
「「…」」
無言で聞く士官達…。
なんだ?もう少し反応が欲しいな。
「野戦なので味方討ちに充分注意せよ。兵には白いタスキと鉢巻を用意させる。各小隊は合言葉を決め兵に徹底させよ。
 作戦中止時は俺が空に向かって白い光りの信号弾を三つ上げる。集合地点又は撤退方向の丘には青い光りを出す魔道具を配置する。
総員、襲撃が終わり次第、又は落伍した兵は光りに向かって進み、街道に出たらそのまま街道沿いに砦に帰還せよ。砦の留守はスパス中尉が預かる。
 なお…。負傷兵は出来うる限り収容すること。死んでも早ければ復帰できるのだ。戦友を見捨てるな。」
「「はい!!」」
コレで明日の朝から出撃準備だ。
昼過ぎに出撃して敵の寝床を叩く。

さあ、夜の墓場で運動会だ。
むしろ墓場を作ってやる。


=====================================

(´・ω・`)…。(丸太)

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:18:25 | 显示全部楼层
76.フェルッポ戦記1

(´・ω・`)…。(いきなりフェルッポ戦記)

=====================================

「フェルッポ小隊長、隠蔽を完了しました。」
軍曹が報告してくる。
作業終了だ。
街道上を進む、敵の一個連隊を向かえ討って。
オットーが命令したとおり。
僕の小隊は森の中で物資の隠蔽を行った。
戦闘には使わない測量器具を森の中に隠す命令だ。
僕が魔法で森の中の丘に横穴を掘って、梱包したTS馬車を全て収容して蓋をした。
その蓋の偽装が終わった。
うん、遠目では解らない。
土に汚れた兵達は整列を始めている。
「うん、ありがとう。僕はコレからストラポルタに向かう。軍曹、僕の小隊を頼んだよ。」
ヘルムを被り顎ヒモを確認する。
「はっ、お任せください。我々はこのまま撤収後、中隊本部との合流の為、A2045丘へ向かいます。」
総員整列の中、工兵伍長が用意した馬に乗る。
手を貸してくれる軍曹。
「ありがとう。軍曹。」
「小隊長殿も道中、お気を付けて。」
もう撤収の準備は殆ど終わっている様子だ。
既に僕に随伴する兵は無線機を下げ馬に乗っている。
「小隊長殿に敬礼!」
少々気恥ずかしいが整列した小隊の面々の前を馬に乗ってゆっくり歩き返礼する。
続く伍長の馬に棒型無線空中線を立てた馬。
見下ろす僕の小隊の中には、不安そうな顔の兵も居る…。
笑顔で答える。
これが今生の別れではないのに。
馬で森を進み、草原を出ると三騎は駆けた。

森と草原を走り、街道に出てストラポルタへ向かい馬を駆ける。
後ろには伍長と無線空中線を立てた兵が操る馬が続く。
三騎の馬の蹄の音と風を切る音が聞こえる。
何かおかしい。
後ろの兵に合図して、一度止まる。
「何か聞こえないか?」
何かの音が風に乗っている。
なんだろう?
「…。いえ…。」
「笛を吹いてますね…。集合の合図?いや、違うな。」
無線手がヘルムの垂を広げて音を探っている。
「何処からだろうか?様子をみよう。」
風上は東だ。
「たしか、二つ向こうの丘ならストラポルタが見えるハズです、頂上に基準点を置いたときに城壁が見えました。」
伍長が方向を指差す。
なるほど、街道の外だ。。
「よし解った。行こう。」
街道を外れて草原を走る。
少々足元が悪いが馬の足なら問題ない。
基準点が見えたので駆け上がる。
丘の上は草が疎らだ。
確かにストラポルタの城壁が北東に見える。
特に異常はない様に見える。
馬に乗ったまま、ホーク・アイを使う。
コツは右目で全体を見て利き目の右目で拡大する事だ。
片方だけだと眩暈が酷くなるが片目を手で隠すのだ。
距離感が無くなるので始めにわかりやすい目標の距離を数えて置くこと。
効果時間内は近距離が見えないので、安全な場所で隠れて行う様に注意すること。
オットーの忠告だ。
城壁の外、離れた草原を騎兵集団が駆けている。
一個中隊程度か…。向こうにも要る、数は不明だが同程度っと。
お互い離れているが視界に入る距離だ。
「演習ですかね…。」
丘の上から単眼鏡で城壁を見る伍長。
たぶん、同じ物を見ている。
「もう、知らせが行って出陣しているのでは?」
無線手が答える。
その割りに何か違和感が…あ。
「待て、何故門を閉じているんだ?」
昼間なのに城門が閉じている。
「ソレは…、おかしいですね。演習でも門番ぐらいは立てるハズです。」
「旗は見えるか?」
「旗の印までは…。しかし、随分と金持ちの騎兵隊ですね…。」
鎧が揃っている。
お金を掛けている王国軍とは思えない、王国軍の装備は見慣れている。
何処かの領民軍だとすると…。
「馬の扱いは友軍の物か?」
帝国と王国では馬の操作法が違うため、走っていると遠目でも良く解る。
「いや…。そこまでは…。」
しばらく黙る伍長。
単眼鏡を操作している。
「あ、アイツ等。鞍が違う。」
違和感はソレか…。
「鞍に敷布で…。紋章は見たことが無い物です。」
「敷布に紋章を入れる貴族は覚えが有るか?」
「いえ…。王国では無いです。お祭りの時に主催がやる程度です。」
だよね。
見たことが無い。
なら決まっている。
「恐らく帝国軍だ。」
「確認しますか?」
「危険だ、止めよう。帝国騎兵で間違いがない。」
こまった、城の中に入れない。
帝国騎兵の警戒を交わして城門に辿り着いても中の兵が開けてくれるか解らない。
「何とか中隊本部に連絡取れないか?」
帝国に先回りされているとは…。
「ココからですと…。恐らく仮設空中線を立てても限界です。」
仮設空中線は竿を組み立て、線を引っ張る物だ。
目立つ。
木が在ればソレに引っ掛けても良い。
だが周囲に高い木は見当たらない。
「何処かに…。本部と通話できる地点は有るか?」
「かなり戻らないと…。」
「ですね。」
目を合わせる兵と伍長。
「撤退する訳にも行かない。何処かに空中線を展開できる場所は無いのか?」
この兵卒は小隊の中で一番に無線機の扱いに慣れている。
「ココは土地が低いんです、ストラポルタ南部の森なら比較的に高くて木で隠蔽されています。」
「一度、ストラポルタに接近することに成るぞ。」
無線手に伍長が忠告する。
「はい、伍長殿、届くかどうかは解りません。指向性のヤツなら何とか…。やって見ないと解りませんが、以前にストラポルタ南東の丘のから、A2045の手前のA2039丘との交信に成功しています。」
「うーん。」
無線と言うのは便利だけど解らない所が多い。
オットーは説明したけど全部計算だった。
この無線手は、僕の小隊内で、あの難解な取扱説明書を全部読んで理解した貴重な変態技能だ。
どちらにしてもストラポルタには入れない。
僕の任務は味方に通報して援軍を呼ぶのが仕事なのだ。
「よし。その丘を目指そう。途中、敵に発見されないように注意すること。あと、敵情の確認。」
「「了解しました。」」
「もし、通信できなかったら、闇夜に紛れてストラポルタに接近するか…。不可能ならオキノへ向かう。」
「「はい。」」
僕たちは丘を駆け下り、遮蔽物に紛れて街道を目指した。


なんとか敵に発見されずに平野を突っ切る事に成功した。
街道を横切ったが敵との遭遇は無く、丘の上から敵を発見した。
ストラポルタ周囲には多くの騎兵や歩兵が集まっているのが見て取れた。
見えたのはホンの一部だ…。
見ただけでも一個連隊以上…。
周囲を捜索する騎兵も、未だ移動中の部隊も居た。
何とか森の中に入り。
到着した丘には木が生い茂っている。
馬を降り木に登る伍長。
ロープを使って木の幹に登り、身体を固定して、弩弓の様な空中線を手に持っている。
「こちら、Fフェルッポ小隊、こちらF小隊。本部聞こえるか?…」
無線手が何度も繰り返し…。
『こ ら中隊 ん部 か ど悪い。F小隊聞こえるか』
返信があった。
「もうチョイ右…。チョイ上…。はい。」
木の上の伍長に無線手が手で合図しながら細かく空中線の方向を指示している。
「こちらF小隊、ただいま調整中、再度送信願う。」
『了解、こ ら中隊本部、感度は悪いが何とか聞こ る。』
「F小隊、了解、聞こえる様になった。フェルッポ少尉より中隊長殿に連絡を取りたい。」
『了解、こちら本部。中隊長を呼出す。しばらく待て。』
「小隊長殿、なんとか通じました。」
「解った。ありがとう。」
”受話器”と言う機械を無線手から受け取る。
「通信の安定は望めません、時間によって通話が不安定になる可能性があります。」
うーん、オットーの言う”無線は何時も気まぐれ”と言う言葉を思い出す。
結構便利なんだけど…。
こう言う時に”気まぐれ”は困る。
『中隊長が到着した、交信を変わる』
思わず通話スイッチを押してしまう。
「了解!」
やった!通じた、オットーに報告できる。
『コ ラ、中隊長オットーど した?フェル ポ少尉。』
「オットー大変だよ。ストラポルタが帝国軍に包囲されてる。」
オットーの声を聞いて、思わず通話スイッチを押して早口で喋ってしまった。
向こうに伝わっているのだろうか?
耳に聞こえる音は無言だ…。
通じてるのかな?
不安になる。再度送信。
「オットー聞こえる?」
箱型無線機の通信中を示す光、同調表示管マジックアイを確認する。
うん、点灯している…。
『ああ聞こえた。敵はどの程度の規模だ?』
「いま、ストラポルタの南東の丘に移動して通話している、帝国軍は見えた限りは2個連隊程度。到着したばかりの様子だドンドン増えてる。ストラポルタの包囲は完了していない。しかし、既に城門を閉じて篭城の構えで、中に入れない。」
焦ってはいけないと思っているが早口に成る。
何時までこの通話が安定しているのか不明なんだ。
『そうか、解かった。』
”受話器”の向こうのオットーの声は冷静だ。
流石オットー。
僕ならこんな時はうろたえて何も考えられないだろう。
「オットーどうしよう?」
しばらくの合間の後、オットーがゆっくり喋っている。
『フェルッポ、すまないが。南のオキノではなく迂回して北の町ズリューノフォルトへ向かってくれ。ソコの領主に現状を報告してくれ。』
新しい命令だ。
「了解!北のズリューノフォルトへ向かいます!オットー、これから通信は出来なくなるけど。必ず味方を連れてくる、ソレまで頑張って!」
『ああ、大丈夫だ。全部、吹き飛ばしてやる。援軍待ってるぜ!』
通信が終わったので無線手に”受話器”を返す。
「隊長。」
「聞こえたかな?中隊長にストラポルタの現状を報告することが出来た。我々は新たな命令で。敵の来襲を北の町、ズリューノフォルトへ知らせる為に向かうことに成った。」
「了解しました!」
「おーい、もう良いのか?」
大木の上から伍長が声を掛ける。
辛い姿勢で無理をさせていた。
「ああ。伍長、完璧な仕事だ!降りてきてくれ。」
よし!急いでココを片付けよう。
僕の任務はズリューノフォルトへの通報だ。

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:19:50 | 显示全部楼层
77.夜襲1

(´・ω・`)…。(祝:通算500話)やっと戦闘が始まります。

(´・ω・`)オットー中隊が既知の敵部隊しか記載されていません。

=====================================

工兵隊とスパス中尉に砦を任せて全力出撃だ。
一部は騎乗しているが、多くの兵は帝国軍の鹵獲馬車にのり、集合地点へと移動していった。
殆ど満載だ。
降車した後は一部の馬車を残して撤退する。
待機する馬車は歩兵を拾う仕事が待っている。
負傷兵は救助ポイントまで歩くコトになる。
日の出までは居るコトになっている。
無論、偵察部隊に合流しても良い。
夕方、までに進撃開始ポイントまで付いた。
皆、緊張している。
会話も少ない。
引換えす馬車と残る馬車。
馬車の偽装を始めるジョン小隊の兵達。
敵に発見され無いコトを祈る。
攻撃部隊は小隊は整列の上、出撃準備中だ。
顔に炭を斑に塗っている。
コレは翔ちゃんの知識だ。
装具点検が終わると攻撃手順の最終確認を行い。
草原に消える兵隊達。
我々は日没まで待つ。
強襲開始地点は敵地の奥だ。
暗闇を味方に付けるしかない。
「中隊長、隠蔽完了。」
「了解。ジョン。殿しんがり、頼むぞ?」
「やれやれ、しばらく暇だ。」
ジョンがぼやく。
もう既に暗視丸メガネを装備している。
「ああそうだな。お前は追撃してきた帝国軍と戦うコトに成る。騎兵かもしれない。」
「帝国軍の騎兵突撃を俺の小隊ダケで食い止めるのか…。嬉しいね。小便ちびりそうだ。」
「全滅する必要も無い。精々追撃を諦めさせればよい。兵の撤退が優先だ。」
「わかった、オットー。がんばれよ。死ぬなよ?カールが指揮官だと多分持たないからな。」
「まあ、そうだろうな。仕事を囲い込み過ぎるから、書類仕事で潰れそうだ。」
笑いあう、緊張しているので気を紛らわせようとしているだけだ。
草原の日没を眺め。
俺の小隊が前進する。
俺は、つや消しブラック塗装の完全暗黒卿ダースベイに魔法の大ハンマーだ。
遂にコノ兇器を使うときが来たのだ。
この日の為に、帝国軍と戦う為に作った近接戦闘用殺戮兵器。
合言葉コンセプトは”流石ハンマー1000人殺っても大丈夫。”(コーホーコーホー)
なお。腰に剣はあるのでハンマーは最初の武器だ。

ジョン小隊が設置した丘の上の青い光とストラポルタ西門の篝火の角度を見ながら方位を確認し進む。
日没になると帝国軍の陣地に焚き火と松明が動いているのがわかる。
敵は未だ寝ていない。
暗闇の中、離れないように草原を進む兵。
強襲開始位置まで遠い。
事前に連絡した。ストラポルタの西門の上に篝火が三つ有る。
マルコからの合図だ。”状況に変化無し。”
敵は未だ我々に気が付いていない。
森の端までたどり着いた。
ココから森の中を進み敵の指令部を視界に納めるまで進む。
遠くに帝国軍が切り開いた道が有るのか。
森に光りも漏れているが、GUIに光点が動いている。
恐らく、松明をつけて走る伝令の馬だろう。
進む先は空が明るいので迷うことは無い。
だが、絶好の位置に付けるワケでも無い。
迷ってはイカンのだ。

丘の下まで進んだ。
ココまで発見されずに進んだのは奇跡だ。
GUIに光点が近づくと動かずにやり過ごしてきたのだ。
落伍の兵も居ない。
帝国語の囁きや。馬の鳴き声が風に乗ってやってくる。
合図の西の門は見えない。
乱戦が予想されるので無線は馬車に置いてきた…。
何が有っても連絡は取れない状態だ。

息を殺し狼煙を待つ。
ロビンが南門に張り付いた敵を攻撃して。
戦火を確認したカールが魔法やお札を使用して攻城戦兵器に火を付ける。
その火を見て俺達が指令部に突撃する。
恐らく敵はかなりの数だが。暗闇に塗れて魔法を使えば大混乱に陥れることが出来る。
ハズだ…。
深呼吸して時を待つ。(コー・ホー・コー・ホー)
丘の上の空の光りが少なくなってきた。
恐らく敵は眠りに入ったのだ。
GUIの人の動きも少ない。
星の動きを見る。
何度も見上げたのでよく覚えている。
そろそろ時間だ…。
ロビン…。何やってるんだ?
時間が…。過ぎていない。
ただ時間が経つのが遅いだけだ。
森の中で息を殺して待つだけがこんなに辛いとは…。
コレは戦争で領地で狼を狩るのとは違うのだ。
我々は狩られる獲物だ。
周囲を監視している兵が暗闇の中タスキを振っている…。
来たか?
伝令が来た。
”ストラポルタ南西壁外に幾つかの炎を見ました。数は不明。増えてます。”
大きく息を吸い込み吐く。(コー・ホー・コー・ホー)
”総員起こせ、攻撃開始位置まで前進。魔法の一斉攻撃の後に突撃する。”(コーホーコーホー)
””了解!””
暗闇の茂みの中を移動すると、陣地内が静かに動き始めた。
恐らく夜営の者が南門の襲撃の炎を発見したのだろう。
未だ敵は眠っている。
襲撃部隊総勢47名。
総員、夜戦識別用の白タスキ姿。
目指すは敵本陣。
木の柵の向うに並ぶ天幕群。
敵将兵吉良上野介は就寝中。(コーホーコーホー)
まるで討ち入りだな。
恐らく柵の周囲には結界魔法が配置されているハズだ。
つまり物理攻撃で結界と障害物を同時に破壊する必要が有る。
背中に魔法の大ハンマーを引っ掛ける。
両手にミノ太の鉄槍6kg。
距離が短いので加速は充分ではない。
敵兵の眠りを揺さ振る大きな振動が大地を襲った。


=====================================

(´・ω・`)次回!大地図お届け。

评分

参与人数 1金币 +10 收起 理由
毛茸茸的薯 + 10 赞一个!竟然还带地图

查看全部评分

1

主题

110

帖子

3943

积分

研究生

Rank: 6Rank: 6

天命
3069
金币
1425
荣誉
0
人气
39
发表于 2019-10-11 20:20:59 | 显示全部楼层
78.夜襲2

敵陣地は混乱に陥った。
一発目は障壁根元を狙ったので地面が掘り起こされ、大きな穴になり、障壁が広く瓦礫に変わった。
二発目は腰の高さで水平射撃したので陣地を貫く様に瓦礫舗装の大通りが出来た。
「突撃!!」(コーホーコーホー)
俺は魔法のハンマーを両手に持ち走り出す。
続く兵。
堀を駆け抜け崩壊した障害物を乗り越え敵陣地に侵入すると。
敵兵の動きは未だ緩慢だ。
未だ攻撃のショックから回復していない。
腕の無くなった敵兵が呆然と立ち竦んで居る。
帝国語の叫び声と怒号も…。
「周囲に魔法攻撃、目標監視所!攻撃開始!」(コーホーコーホー・プッシュー)
「「了解!」」
腰の帳面からお札を抜く46名。
火の玉が周囲に飛び残った櫓やテントを焼く。
火達磨の敵兵が櫓から転がり落ちる。
『敵襲!』
帝国語だ…。
やっと起きたか…。
「手元が暗い!もう一度、魔法攻撃。目標自由。火に巻かれるなよ!攻撃開始」(コーホーコーホー)
「「了解!」」
周囲が明るくなる。
帝国語の叫び声が増えた。
「俺に続け!」(コーホーコーホー)
出来上がった大通りを前進する。
目に付いた火を消そうとしている敵兵の背中に20g鉄球を加速してお見舞いする。
上半身が無くなる兵。
騒ぎで集合し始めた一団が居るので高温圧縮空気弾で蹴散らす。
未だ鎧を着ていなかったので簡単に蒸し焼きになる。
出来上がった死体の園を乗り越えて進む。
敵の中央、目立つ旗の大天幕に指令部機能が有るはずだ。
胴鎧を引っ掛けたダケの敵兵を殺す簡単なお仕事で前に進む。

流石に敵指令部には詰めている兵達が居る。
完全武装で数十名は集まっている。
『誰だ貴様等!』
おう、帝国語の女の声だ。
夜の戦場では良く通る。
魔法のハンマーを肩に担ぎ大声を出す。
「”我等ロジーナ王国軍ハイデッカー師団オットー魔法中隊、オットー・フォン・ハイデッカー中尉だ。ご挨拶に敵将の首を貰いに来た。”」(コーホーコーホー)
『蛮族め!』『敵襲!敵襲!!』
煌びやかな鎧を着た女騎士を取り囲む兵達。鋭い音の笛が鳴る。
判り易いな?
目標は女騎士で大将か…。薄い本が厚くなるな。
「”おう、貴公が大将か?お名前をお聞かせ願おう。首を飾るのに名無しでは申し訳ない。”合図したら総員しゃがめ。」(コーホーコーホー)
「「「了解!」」」
敵兵が集まってきた。
包囲されつつある。
もう少し集めよう。
『ふん、蛮族に名乗る名は無い。しかし死に行く貴公に教えてやろう。我は東征軍指令、カーレー伯爵軍白百合騎士団団長アウグスタ・デ・カーレーだ。』
「”ほう、カーレー伯の縁者の者か?”おう、お目当てだな。」(コーホーコーホー)
流石ゲームだ。復讐の相手の一人だ。
『ソレがどうした!現カーレー伯は叔父上だっ。』
「なんだ。ちょっとハズレだが…。おい、あの派手なのは無傷で捕らえたい。」(コーホーコーホー)
姫騎士だ。楽しいボーナスゲームだ。(身代金的に)
「え?了解しました。」
焦る軍曹。
包囲の輪が狭まっている。
敵兵も随分吊れた。
「”では始めようではないか?楽しい戦争を”剣を抜け。」(コーホーコーホー)
「「「はっ」」」
総員構える。
相手も同じだ。
『殺せ!!』
「伏せろ!!」(コーホーコーホー)
頭の上の光のリングから出た光線が全周囲をなめる。
走り出した敵兵に光りが撫で三歩も進まず崩れ落ちる。
「フハハハハハハ。焼け落ちろ!糞野朗!!」(コーホーコーホープッシュー)
高笑いしている間に七週半。
『馬鹿な!』『リージェルの光りだと!!』『貴様があの城から撃ったのか!』
姫騎士達がうるせえな。
「ふむ、”形勢逆転だな。”突撃!!」(コーホーコーホー)
周囲は人間が焦げる嫌な臭いとオゾン臭が立ち込める。
死屍累々の呻く敵兵を乗り越え。
姫騎士に突撃する。
「ウェーイww」(コーホーコーホー)
盾を持ったブリキ野朗フルプレートが進路を塞ぐが、魔法のハンマーを振り下ろす。
ハンマーが大盾に防がれる、衝突した衝撃で魔法が発動する。
ハンマーヘッドに書きこまれた加熱の紋章が空気を白熱化し、一点に集中する。
『ぐああああっ!!目がー目ガー!!』
獲物を手放し転がるブリキ野朗、盾には指が通る程度の紅い穴、溶けた痕だ。
燃焼ジェットを顔に浴びてしまった様子だ。後、溶けた鉄の破片スパッタ。
構わず次の敵に進む。
ヘルムの隙間から驚愕の顔のブリキ野朗に横に撫でる。
両手構えから片手に延ばし。
間合いが伸びて胴鎧に直撃する。
衝撃でハンマーの先が光り、燃焼ジェットは鎧を溶かし。
皮膚の下、肉と血液を沸騰させ体積を増やす。
弾ける胴体。
頭ヘルムが脊椎と共に胴鎧から抜け飛ぶ。
血と焼けた肉片を噴出しながら。
「フハハハハ、ジャックインボックスびっくり箱だ!」(コーホーコーホー)
辺りは血の雨だ。
『バケモノか!』
「”ただの魔法使いだ。オラ!もぐら叩きだ。”ウェーイw」(コーホーコーホー)
次のブリキに脳天直撃ハンマーを振るう、潰れた頭のバケツが胴体にめり込み血を噴出しゆっくり倒れる。
『団長!下がって下さい。』
おう、残りブリキ野朗が1ダースと女騎士が半ダースだ。
『あの魔人を討て!』
「一人で対処するな!!ペアで当れ!一対一にさせるな!」
軍曹が叫ぶ、コチラの歩兵も負けてない。
剣と剣がぶつかり血飛沫が飛ぶ。
ハンマーが鎧を潰す。
手に肉と骨の砕ける感触が残る。
進む将兵に下がる帝国軍。
戦場は天幕の中に突撃した。
入った途端に女騎士が剣を振り下ろすがハンマーの柄で受ける。
「ウェーイwww」(コーホーコーホー)
力比べでは負けん。
しかし、戦場で足を止めるのは愚作だ、蹴飛ばして転がる女騎士。
『くそっ、バケモノめ!!』
「”ほう。良い声だ。そろそろ遊びは終わりにしよう。”軍曹、天幕の周りを確保しろ!」(コーホーコーホー)
「了解!」
ハンマーを地面に立て
柄に両手を置く。
『何をする気だ!』
剣を構え肩で息する女騎士達、複数目標をロックオン。
両手を合わせ電位差を作る。
手を離すと両手ガントレットの間のアーク光が天幕内を照らす。
「”さよならジュピター”」(コーホーコーホープュッシュー)
怪光線が女騎士達を撫でるとその場で崩れ落ちる。
「中隊長!凄い光でしたが大丈夫ですか?」
「ああ。大丈夫だ。軍曹。書類と重要人物を確保せよ。」(コーホーコーホー)
「了解しました!」
手が痺れている。
外の戦闘音楽は終わりに近づいている。
握って開いてして手ガントレットの感覚を取り戻す。
兵達が動けない女騎士共を引きずり並べて止めを刺す。
書類を中央、大机の上に積み上げている。
「この、どちらかが指揮官です。」
気絶した2名の女騎士を並べる兵。
片方は名乗りを上げた姫騎士だがもう一人の鎧は女騎士で唯一の家紋入りセット(マント&鎧)で高そうヤツだ。
「まあ良い、両方連れていく、手足を縛れ、目隠し、口も塞げ!」(コーホーコーホー)
鎧だけを収納する。
軽くなった女を縛る兵達。
荷物の様に運ぶ。
積みあがった机の上の物を収納する。
GUIに収納物の文字が流れる。
あ。帝国金貨ゲット。
「軍曹!新手が来ました!!」
外で待機していた兵が叫ぶ。
「軍曹、集合!撤退準備!」(コーホーコーホー)
「了解!戦利品を持って外に出ろ!」
「「はい!」」
天幕の外に出ると集まり始めた帝国兵と戦闘が始まっていた。
雑兵が多い、魔法のハンマーを収納して二刀流に切り替える。
「ウェーイw」(コーホーコーホー)
味方兵の上に乗る敵の背中、延髄に叩き込む。
切る必要は無い山刃ナタを振るうように叩く。
首は落ちなかったが脊椎を切られ動きを止める敵兵。
倒されていた味方兵を引きずり起こす。
「大丈夫か!しっかりしろ!!」(コーホーコーホー)
素早くヒールを掛ける。
残念だがサーチしている暇は無い。
「大丈夫です!かすり傷です!」
「よーし!殲滅するぞ!」(コーホーコーホー)
乱戦になり始めている。このままでは磨り潰されて終わりだ。
「集まれ!!戦友を助けろ!」(コーホーコーホー)
剣を振るう度に敵兵の骸が大地に落ちる。
『援軍だ!』
帝国語で誰かが叫んだ。
「くそっ!」(コーホーコーホー)
戦場の流れが変わる。
途端に引く帝国兵、包囲された。
背を合わせ合う友軍。
怪我を庇う者も多い、横たわる兵も…。
遠く、聞き覚えの無い笛の音と、火災の炎に揺らめく門の移動障壁を動かす敵兵の背中が見える。
陣地に侵入してくる松明を持った騎兵の一団。
隊列を組んでいる。
恐らく歩兵も居るだろう。
「俺の魔法攻撃の後に全周囲攻撃を行え!!」(コーホーコーホー)
「「「はっ」」」
お札束を引きちぎる兵達。
口から血を吐き這いずる兵も震える手でお札を構えている。
収納からはおなじみの鉄2のインゴットだ。
先頭の騎兵の白目がわかる程度の距離。
敵兵が散開する直前にインゴットを加速する。
「砕けろ!」(コーホーコーホー)
先頭の馬旗持ちに命中したインゴットは。
全てを巻き込み、肉塊に変えながら、空気の壁が周囲に撒き散らし粉々にして飛んだ。
粉砕した帝国兵の破片は音速を超えて後ろの兵を磨り潰したのだ。
出来るのは破片と肉塊で舗装された血の花道だ。
周囲が明るくなる。
『うわあああー!』『あ、熱い!』『火が、火が!』
燃える帝国歩兵。
人型が転がりながら灰になってゆく。
「フハハハハハハハハハ。」(コーホーコーホープッシュー)
炎の光が顔を炙る。
周囲、炎の内に敵は存在しない。
居ても炎の壁の向こうだ。
「各員!戦友を見捨てるな!救護開始!息の絶えそうな者を見つけ申しでよ!」(コーホーコーホー)
「「「はい!」」」「コチラに居ます!」「出血が止まりません!」「しっかりしろ!!意識不明の者が居ます。」
手早く直すが。
重症な者は二時間前に戻す。
時間が惜しい、こんな事で兵を減らす訳にはいかない。
屑宝石は出し惜しみしない、ポーションを呷る。
帝国兵の松明が燃え尽きる前に戦力の回復が終わった。
「46名全員揃いました、総員戦闘の続行は可能です。」
「よろしい。良い知らせだ。そろそろパーティは終わりだ。撤退するぞ。」(コーホーコーホー)
「「「了解!」」」
「あの…どちらへ撤退しますか?」
軍曹が訪ねる。
「そうだな…。うん。正面から撤退しよう。」(コーホーコーホー)
砦正面の門はさっきの鉄2で粉砕された。
進路上の障害物も全てだ。
恐らく、その先の森も…。
「はぁ?」
「進入はコソコソ出るときは堂々と泥棒の基本だ。おい、姿勢を正せ。兵達を整列させろ。行進しながら撤退してやる。敵は魔法で対処しろ。」(コーホーコーホー)
「ハイ、おい!聞いたな並べ!二列縦隊だ!」
大人しく並ぶ兵。
捕虜二名も荷物の内だ。
「完了しました。」
「おう。景気を付けろ!笑え。フハハハハハハハハハ」(コーホーコーホー)
「え?はい。」
「「「ははははは」」」
よし、兵の緊張が解けた。
「何か歌え。」(コーホーコーホー)
「は、はい。俺達、食詰めでくの坊~。」
「「「飯が喰えると兵隊家業。止めたおっかさんの~♪」」」
軍曹が歌い始めてそれに続く兵。
徐々に声が大きくなる。
「行進始め。前進。俺に続け」(コーホーコーホー)
剣を両手に持ち進む。
背中に魔法のハンマーだ。
足元は元騎兵、人馬の血の海だ。
炎の壁を出ると呆然とした帝国軍が突っ立っている。
『まて!貴様等!』
鎧を引っ掛けたダケの帝国軍将校が道を塞いでいる。
数人だ。
「”道を開けろ”」(コーホーコーホー)
収納から出した一掴みの小石を纏めて真空チューブに乗せ加速する。
鎧を貫通した小石は軌道が変り後ろの障害物兵に当る。
穴だらけの肉体を晒しそのまま血の海に倒れる将校。
前方に立っている兵は居ない。
右手から兵を引き連れてブリキ野朗がやってきた。
『くそっ!奴等を生きて帰すな!』
叫び剣を抜くブリキ、剣先はこちらに向けている。
「”こちらは撤退するので追撃はご自由に。但し邪魔な物は全て粉砕させて頂く。”アイス・ジャベリン!」(コーホーコーホー)
うん。魔法名を叫ぶと気分が良い。
ブリキ野朗に三発同時発射した氷の塊が鋼の胴鎧を粉砕して後ろの兵に刺さる。
十数名の兵と士官が只の肉塊に変り、生きのこった兵は呆然としている。
「フハハハハハハ”死にたくなければ道を開けろ!!”」(コーホーコーホー)
頭部に光のリングを構成する。
『リ、リージェルの光りだ!!』『下がれ!遮蔽物に隠れろ!』
叫ぶ帝国兵を尻目に歌う小隊を引き連れ行進しながら敵の陣地を出た。

森の中で小休止を行い、点呼と怪我人の状態を再度確認して敵の追撃を迎え撃つ…。
が、追撃は無かった。
恐らく未だ混乱から脱していない。
ならば、一変して集合地点へ向かう。
森から出ると草原の彼方に青い光が見える…。
角度を確認して現在地を出す。
悪く無い位置にでた。
カールは襲撃を成功させた様子だ。
等間隔で敵攻城戦兵器がキャンプファイヤーしてストラポルタ城壁を明るくしている。
「急いで集合地点へ向かう。走るぞ!」(コーホーコーホー)
「「「了解!」」」
駆け足で進む我が小隊。
捕虜は兵4人で抱えて交代なので速度は落ちて無い。
敵は燃えた陣地への対応で忙しいのか斥候を出していない様子だ。
まあ、奇襲を受けたら持久、又は撤退、他の部隊で救援が基本のハズだ。
いや、コレは通信手段のある時代のセオリーか?

草原を進む小隊はたぶん集合地点近くに来た、落伍者は居ない。
良く解らんが集合地点に近い筈だ。
「馬、馬、馬、」
草原の何処かから、誰かが囁いている。
事前に決めておいた符丁だ。
「蕪、蕪、」
軍曹が返事を行っている。
「中隊長殿、コチラです。コチラ。」
草原の草の上に白い布が見える。
歩兵2人が中腰で白い布を振っている。
たしか、ジョンの兵だ。
ジョン小隊の斥候と合流する。
「どうだ?皆は集合したか?」(コーホーコーホー)
「はい。概ねの集合は完了しています。」
「よし、判った。」(コーホーコーホー)
軍人の上手く行っている時の返答は”概ね”だ。
斥候の示した方向に進むと、草原の草を切り開いた集合場所は野戦病院になっていた。
呻く兵が横たわっている。
「ジョン少尉は居るか?」(コーホーコーホー)
兵に尋ねる。
「はい。重傷者を集めたあの馬車の横でカール少尉殿と治療中です。」
「判った。軍曹、兵を休ませ…。いや、治療に回れ。それと…捕虜から目を離すな。」(コーホーコーホー)
「はい。了解しました!」
指定された馬車に向かうと…。
馬車で漏れる光りを遮り、天幕で囲われた中はランプが灯っていた。
「おう、今戻った。」(コーホーコーホープッシュー)
「中隊長殿!ご無事で。」
「オットー手伝ってくれ。怪我人が多すぎる。」
「判った。任せろ。報告を聞きながらやる。先ず死人からだ。」(コーホーコーホー)
「はい、安置所はココです。」
両手を血で汚れた療兵が示す先に8人程が横たわっている。
「よし、復活させる。下がれ。」(コーホーコーホー)
「ハッ、」
兵が下がる。
謎の注目を浴びる中、低級ポーションと屑宝石をポケットの中に入れ、クリップボード型の復活の指輪改を取り出す。
死んだ新鮮な兵士を三時間前に戻す。
「ううっ、敵が!敵がくるっ!」
「よし次。」(コーホーコーホー)
「くそっ!こんな所で死んでたまるか!」
「ホイ次。」(コーホーコーホー)
「おれ、これが終わったら故郷のあの子に…。え?何ココ?」
「はい、簡単に死亡フラグ立てない。次…。」(コーホーコーホー)
「…。」
魔法は発動したが、呼吸、心拍共に戻らない。
心肺蘇生の為、電気ショックを試すが…。
バイタルは戻らない。
ダメだ。コイツは手遅れだ。新鮮フレッシュでない。
ポーションを呷る。
二重発動できれば…。
どう言う訳か対象物に対して効果時間以上が経たないと重ね掛け出来ない。
屑宝石とポーションが無駄に成ったが兵士復活の可能性に掛ければ安い物だ。
「コイツは戦死だ、包んで置け。次。」(コーホーコーホー)
結局、8人中3人が戦死していた。
「本当に、死者復活できるのか…。」「いや、信じられん。」「冥府の王との契約者…。」
勝手なコトを噂する兵達。
「おい、次、重傷者を直す。何処だ。」(コーホーコーホー)
「ハイ、コチラです!」
毛布の上に横たわる兵、裂傷の者が多い。
体温が低い、瞳孔が開いている、出血多量の者も居る。
「クソッ!ダメだ血を流し過ぎている。死に掛けだ。おい!お前等。復活させるが記憶の混乱が起きる。良いな!」(コーホーコーホー)
返事は無い呻く負傷兵達。
「おい!貴様等返事せんか!!中隊長殿のご質問だぞ!」
「軍曹、ダメです、意識が無い者も居ます。」
「そうか。では勝手にやる。」(コーホーコーホー)
宝石セット、いくよー。
「ロビン少尉!ココはもう持ちません!…。へ?」
飛び起きる死に掛け兵。
「よし、軽症になった。療兵後は頼む。」(コーホーコーホー)
「はい!お任せください。」
「おい、ココは何処だ。皆は?ロビン小隊は?」
「大丈夫です伍長、ココは集合地点です。ロビン少尉は軽症です。後は帰還するだけです。」
「なぜ…。」
療兵が対応している間に他の重傷者も三時間前に戻す。
やはり記憶の欠損が起きる様子だ。
まあ、覚えていたとしても、死ぬ間際の記憶なぞ要らないだろう。
「流石だなオットー。」
「俺が死んだら真っ先に掛けてくれ。」
カールとジョンだ。
「ああ、ロビンは何処だ?」(コーホーコーホー)
「ロビンは軽症だが魔法の使いすぎで休んでいる。報告は副官から聞いている。南門外の敵に打撃を与えたが、騎兵の追撃を受け、戦死6、負傷16行方不明6だ。」
ジョンが代わりに答える。
ロビン小隊は大損害だ壊滅に近い。
「そうか…。追撃の騎兵は振り切ったのか?」(コーホーコーホー)
「いや、俺の分隊を出して逆襲した。コチラの損害は軽微だ。」
さらっと独断専行を自白するジョン。
まあ、小隊指揮官の独自判断で友軍を助けただけなので問題は無い。
そう報告書に書こう。
「おい、オットー怖い顔するな。俺の兵の治療は終わった。」
「ああ、悪かった。特に問題は無いな。」(コーホーコーホー)
今回はな。
麩陰気で最悪の中、カールが報告する。
「俺の小隊は各分隊に別れ目標への攻撃に成功。集合地点に向かう間に分隊の一つが敵の斥候と遭遇、戦闘になった。戦死2負傷10だが…。先ほど戦死が0になった。負傷者の回復には未だ時間が掛りそうだ。」
「そうか…。」(コーホーコーホー)
ロビン小隊は9名の損耗か…。
未だ帰ってくる可能性も有るが…難しいだろう。
マスクを取りヘルムを脱ぐ。
ひんやりとした風が髪をなでる…。
きっと変な癖が付いているハズだ。
撫でた手に絡みつく戦友…。
「くそっこんな事で戦友を…。俺の責任だ。」
「オットー…。」
多くの戦友が散っている。
調子に乗って魔法を連発しすぎた。
お陰で帝国軍の活動が活発になっている。
日の出前にこの草原から脱出しなければならない。
「オットー、ソッチはどうだったんだ?」
思案しているとジョンに急かされた。
「おう、敵の指令部の襲撃に成功した。敵の大将を捕虜にして指令部内の資料を鹵獲、駐屯地に火を掛け脱出に成功、追撃は無かった。損害ナシだ。」
「そうだろうな…。途中から敵の目が指令部の方に変ったからな…。」
「まあ、あの光りだ…。何か起きているのは間違いないからな。」
「おう、魔法を遠慮なく使ったからな。ドラゴン落としたヤツもつかった。一撃で一個騎兵中隊も木っ端微塵だ。」
「そうか。凄いなオットー。」
あきれるジョンにカールは残念そうだ。
「う、見てみたかったな。恐らく一生自慢できそうだ。」
”見たら一生悪夢を見そうだ…。”
ジョンが呟いている。
おかしいな、一個連隊吹き飛ばしたのは見ていたハズだ。
一番近くで見たのはロビンだが。
「ジョン、負傷者の手当てが終われば、斥候を残して砦に戻る。撤退の指揮をたのむ。」
「判った、手はずどおりだな。準備は進んでいる。」
「重体の者は大体は峠を越した。輸送は問題ない。オットーはどうするのだ?」
療兵を指揮していたカールが質問する。
「俺は、捕虜の尋問を行う。ココでは出来ない。ストラポルタで行う。明後日には砦に戻る、ソレまでスパス中尉が指揮をとる。」
「了解した。」
「どうやってストラポルタへ入るのだ?敵の監視が厳しくなっているぞ?」
ジョンの質問だ。
簡単だ。
「飛んでゆくさ。」


=====================================

(´・ω・`)大きな地図書いてみました。
(#◎皿◎´)デフォルメで距離は無茶苦茶です。

评分

参与人数 1金币 +10 收起 理由
毛茸茸的薯 + 10 辛劳的搬运工

查看全部评分

回复 支持 3 反对 0

使用道具 举报

您需要登录后才可以回帖 登录 | 立即注册

本版积分规则

Archiver|手机版|真白萌Web小镇

GMT+8, 2020-1-27 23:53 , Processed in 0.062028 second(s), 29 queries .

Powered by Discuz! X3.4

© 2001-2017 Comsenz Inc.

快速回复 返回顶部 返回列表